言葉の鮮度、新しい時代における方向性
- shigeru-nagai
- 2024年10月13日
- 読了時間: 2分
先日、国内外の研究施設に関する調査をオープン情報から行っていたのですが、このテの施設においては関係性の深い「イノベーション」という言葉が施設名に非常に多用されている事に気が付きました。また、さすがに多用されすぎて新鮮味がなくなっており、正直、言葉としては、だいぶ手垢がついている印象を受けました。
2024年初頭に、とある大手メーカーの研究施設の名称において、「イノベーション」という言葉を用いず、そのメーカーとしての研究開発におけるベクトル、ポジション、事業にかける想いを指し示す言葉を用いて施設名称を考案されておりまして、これが実に端的かつ、そのメーカーの向かう道筋を示しており、私は非常に感嘆した次第です。
おそらく、今後の先端研究開発の施設名においては、特に大手メーカーほど後者のような研究開発施設に込めた考え方として、事業としてのありよう、そのベクトルやポジショニングを端的に示す名称が、傾向的に増えていくのではないかと国内外のオープン調査を通じて思った次第であり、ブランディングやマーケティングにおいても、私は競合他社に比して自社施設の立ち位置や有用性を示すような気がしています。
また、「イノベーション・◯◯◯」といったものは、例えば 過去数年〜10年以上に渡って採用をしてきたメーカーさんからすれば問題はないのですが、今からという話になりますと、どうにも手垢が付きすぎて言葉の鮮度が だいぶ過ぎているように感じられ、賞味期限が短いといいますか、そう長くは使えない…かもしれないなと思いました。更に、競合他社と比較して、または業界内におけるポジショニングというものを強く意識されるケースにおいては、「イノベーション」という言葉については、言葉として差異を表現しづらい為、一旦、よく検討された方が良いように個人的には思いました。
新しい産業革命の時代に入り、技術革新のスピードが早まるともされています。そのような中、イノベーション起こす!というのは もはや何処も当たり前のように言われています。イノベーションは当たり前(※新規事業の実務上、実際は非常に困難だそうですが)"という世情"であるならば…、むしろ、新しい未知の時代に入るからこそ、メーカーそれぞれの研究開発の意図・想い、ベクトル、ポジションといったものを端的に明確に指し示す、「言葉の力」を用いた、施設の名称を考案するフェーズに、より入っていくようにも思いました次第です。
